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執筆者の写真seisaku ing

キャンプだホイ王国 その②


ここはアウトドアが大好きなカピバラ達の楽園、キャンプだホイ王国。

南アメリカのとある大きなキャンプ場に、キャンプ好きなカピバラ達が集まっている。


 今日は、お風呂を作る男の子と女の子。

 女の子はお風呂が大好き。作るのも得意だ。

 カピバラと言えば温泉のイメージがあるけれど、なぜカピバラが温泉に入るのかというと、中南米の動物のため、ものすごく寒さに弱いというのが理由のひとつ。それに加えて冬場だと乾燥するから、保湿しないと毛が抜けて大変なことになってしまう。お湯の温度は40度と人間が入る温度と同じくらいがベスト。カピバラは元々水をはじきやすい毛質をしているから、人間と同じように湯冷めはしない。

 

「温泉って、寒い冬に入るもんじゃないの?」

 男の子は面倒臭そうに尋ねた。

「ううん、夏でも入るよ」

 女の子は楽しそう。男の子の感想なんてどうでもいいみたい。


「暑い夏に、熱いお湯に入ることが、僕には理解ができないよ」

 納得いかないような顔で男の子は言ったが、女の子は無視してせっせと必要な道具を準備している。楽しそうだ。


  お風呂作りに準備するものは、鋼製ドラム缶。ドラム缶なんてどこで売っているのだろう?と思うけれど、最近は意外と通販ができる。サイズだけ確認して購入しよう。アウトドアにはつきものの楽しみだ。今回は蓋が無いオープン式の鋼製ドラム缶を使いましょう。

「蓋がないドラム缶なんてあるんだ。。。これからは楽に入れるな」

 男の子は興味津々。熱いお風呂には興味はないが、道具には興味がある。

「いつもどうしてるの?お風呂には入らず水浴びだけとか?」

「ううん。他のカピバラのに入ってた」

「なんて身勝手な。。。」

「お風呂には興味ないけど、汗は流したいもん」

「。。。」

 女の子は呆れて相手にしないことにした。せっせと準備。


 

 さて、お風呂に必要な道具のリストはこちら。

①ドラム缶

②すのこ(火を炊いてお湯にするから、すのこがないと茹でカピバラがでいてしまう)

③コンクリートブロック(火を焚べる隙間を作るために必要)

④脚立(コンクリートブロックの上に立てたお風呂は背が高いから、登らないと入れない)


 道具を揃えたら、お風呂を焚こう。

その1、ドラム缶風呂の土台を組む(土台はコンクリートブロックを使う)


その2、.置き水を注ぐ。水はドラム缶のちょうど半分くらい、入っても水が溢れない程度に


その3、火を起こして水を温める。大量の水を温めるから、そこそこの火力を維持しつつ火が消えないよう薪を追加する


その4、適度な温度になったらすのこを落として準備完了。熱くなりすぎたら水を足して調節する。


「ドラム缶風呂って、こんなに大変なの・・・?」

「いつも他人のに入ってるから分からないんだよ」

「・・・もう、他のカピバラのお風呂には入らない」

 二匹分の準備をしたから、クタクタ。一回のお湯を沸かすのに、三時間かかる。その二倍だから、六時間。


 お風呂にゆずを入れると、柑橘系のいい香りが広がってリラックス出来る。


「あー、・・・気持ちいい」

「頑張って作った甲斐があったね。また作りたいな~」

「僕はもういいよ・・・」

「えー、何で?また一緒に作ろうよ~‼」

「だってめちゃくちゃ大変なんだよ?お風呂を作るくらいなら、・・・寝ていたい」


 ドラム缶風呂は、キャンプにとって温泉の露天風呂のようなもの。いつものお風呂よりも開放感や気持ちよさを味わえる。お風呂に入れば、キャンプの睡眠もより快適になるから、ドラム缶風呂によってさらなるキャンプの楽しみに目覚めるかもしれない。


つづく・・・


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